現在の看護師制度は専門看護師か認定看護師の2種類に限られています。いずれも日本看護協会の資格認定制度を利用して、看護師自身が特定の範囲においての看護ケアのレベルを向上させるということが目的になっています。しかし、この資格認定制度はあくまでも看護ケアの向上であって、看護師である以上、医療行為は医師の許可なしに行うことは出来ません。ですが、実際に患者さんの容体が急変した時などは対応を少しでも早く行った方が良いので、看護師にも特定の範囲に対して、医療行為を行うことを許可しようという動きが以前から行われていました。それが特定看護師制度になります。
アメリカなど先進国では実際に側にいる看護師が医療行為を行うことは珍しくありません。もちろん限られた行為になりますが、その分早く患者さんの負担を軽減してあげられるのです。アメリカの特定看護師制度はNPという職種になっていて、特定分野において2年間教育を積んだ後に国家試験を受けて免許を取得すると言う流れになっています。免許を取得すれば即戦力として医療現場で働けるのです。
日本においては、特定看護師制度は人件費などの問題で認可が反対されています。医療費が元々高いアメリカでは特定看護師を置いても人件費を賄えているのですが、日本では病院側の経営の問題もあるようなのです。
ただ、超高齢化社会とも言える現代では、訪問看護などの分野における看護師の重要性が不可欠となっています。訪問看護は原則として医師の許可があって成り立っている分野ですが、実際に現場において緊急性を伴う医療を必要とする場合もありますし、そのような時に度々医師の許可を取っていたのでは治療が間に合わないといった事態も実際に起きています。
2002年まで看護師の静脈注射は許可されていませんでしたが、当時の臨床現場では日常化していたという、いわゆるグレーゾーンが存在しているなど、特定看護分野において看護師自身が医療行為を行うことは今後の医療界全体における課題になっていくと言えるでしょう。